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一時支援金の事前確認

 当方は、一時支援金の登録確認機関になっています。
 この登録確認機関は、一時支援金の対象となるかを判断したり、書類審査をしたり、実際にすべての書類を厳密に確認するのではなく、申請者が一時支援金について理解した上で申請しているかを確認するものです。

 申請期間は5月31日(月)までです。その後は、月次支援金として売上減少への対策が採られるようです。

 月次支援金についての記事はこちら

 事前確認として登録確認機関がやること自体は『これ、必要?』という程度のことなのですが、おそらく、昨年の持続化給付金の際、売上時期を故意にずらすなどして不正に受給した事業者やそのような不正を手助けした者がいたことで、第三者のフィルターとして登録確認機関というものを作ったのでしょう。

 当方は、困っている方のお手伝いをするつもりで関与先以外の一見の方の事前確認を受け付けています。

 しかし、当初のお手伝いをしようという純粋な気持ちが少し揺らいできています。一時支援金のWebサイトの『事前確認』→『登録確認機関』のページには、『重要なお知らせ』として

国から事務手数料(1,000円/件)をお支払いする機関では、事前確認の手数料は無料です。 約9割の方が無料で事前確認を受けております。

と書かれています。
 まだ継続中の手続き案内のページなのに(というか、手続き開始時の時点で)何を根拠に『約9割の方が無料で』という数字を出しているのか、1件あたり千円という数字を申請者向けに発信する必要があるのか、など行政のやり方に疑問というか不満が出てきて、もやもやしてきたのです。

 当方にかかってくる事前確認依頼の電話では、確定申告書の作成をしてくれた税理士から一時支援金の事前確認を断られた、商工会や銀行等の他の登録確認機関から断られた、他の登録確認機関から手数料が数万円だと言われた、という方ばかりで、9割の方が無料で事前確認を受けているという実感は持てません。

 また、登録確認機関向けの案内である『緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金における事前確認への協力依頼』では

当該登録確認機関の確認後受給者数が30者以上の場合には、確認後受給者数に1,000円(税込)を乗じた額を事務手数料として支払います

となっており、30者以下の場合は無料奉仕であるのに、申請者が見るページにはこのような条件があることを記していませんので、申請者は登録確認機関には必ず国から千円支払われている、と思っています。

 この料金の仕組みやアナウンスの仕方はまた、この一時支援金の制度を利用して金儲けをしようとする者を作り出します。登録確認機関側が国からの事務手数料を辞退して1件800円など千円より安い料金で多くの申請者を受け付ければ、公の手数料よりも安く業務をしているという宣伝ができる上、もし30件以下の場合でも確実に収入になりますし、1件3万円で請け負えば1件だけで30件分の稼ぎになるので、困っている方ではなく払ってくれる方のみ相手にすることにもなりかねません。

 さらにこれは、善意で登録確認機関を引き受けた方にも影響します。
 多くの申請者の方は、上記の通り他からたらい回しにされているので事前確認を引き受けると感謝はしてくれますが、『国から事務手数料支払われるので無料ですよね』と開口一番に問い合わせがあったり、どうせ手数料貰えるんだろう、貰えるからやっているんだろうと誤解されたままでは気持ちが萎えてしまいます。

 4月以降の売上減少対策である月次支援金も登録確認機関の事前確認を要件としているようですが、上記の改善をしないままでは善意の(一見の方も無料で受け付ける)登録確認機関が減ってしまい、申請者も困ることになるのではないでしょうか。