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デジタル力

デジタル力

 AIにより税理士は将来不要になる等の説については、コラム『税務会計ソフトは電気羊の夢を見るか』にて私としては否定していますが、AIをはじめパソコンなどデジタルの力を使えない税理士は淘汰されていくと思います。

 令和1年分個人所得税の確定申告時期に税務支援として博多税務署や西鉄ホールに行きました。税務署としては、なるべくe-Taxを利用させようと思っているので私たち税理士にも入力できる形で資料を作り、入力コーナーに納税者を案内するように要望がありました。

 しかし、紙で申告書まで書いてきて内容をチェックしてもらった上で紙で提出し、紙の控に受付印を押してもらいたいという納税者が来た場合は、紙ベースの申告書で対応します。

 このとき、消費税の申告が必要な方がいらっしゃいました。
 令和1年は年の途中で増税があり、かつ、日本で初めての複数税率が導入された年です。
 申告書の様式もこれまでと変更され、付表も複雑になっています。

 私が消費税の申告書を作成する際は、基本的に会計ソフトから消費税計算ソフトにデータを連動して、内容に間違いがないかチェックします。ほとんどの税理士はそうでしょう。
 つまり、税の専門家である税理士でも紙の申告書、付表を1から書いて作るということはほぼありません。

 なので、納税者の方が紙の消費税の申告書を持ってこられたとき、かなり焦りました。なんだ、この付表の多さ、どこの数字が出発で計算後の数字はどこに持って行くんだ、という状態です。税理士の受験勉強では手書きで計算式を書き税額を出しますが、本物の申告書の形式で計算するわけではありませんので現役の消費税受験生でも戸惑うでしょう(なぜ、実際の申告書の形式にしないのかずっと疑問のままです。国税しか計算しませんし)。

 運よく(?)、納税者の方が書いていたかなり最初の基本的な金額が間違っていたので、結局入力をすることになり面前で恥をかくことは免れました。

 このことがあってから、紙で一度は書いてみなくちゃな、と反省したのですが、つい先日、現在の消費税実務の権威的な方が研修で、紙で申告書作ることなんてできないです、とおっしゃっていたので安心しました。

 もちろん、本当にできないわけではなく、一度ちゃんと見れば書けますが、その時間と手間をかけるべきかどうかの問題です。
 転記の速さとその正確性、電卓をはじく速さとその正確性、記入する速さを追求するのは受験勉強で充分でしょう(意味あるかどうかは別)。

 逆に、業務ソフトを使い、パソコンはじめデジタル機器を使って効率よく仕事ができないと複雑になっていく税制やビジネスを取り巻く環境に対応できなくなるのは明らかです。

 重要な連絡がいまだにFAXという業界ですが。