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税理士会員章

 税理士は登録時に税理士証票と会員章(バッジ・バッチ)をもらいます(正確には貸与なので死亡その他資格を失うときは返還します)。
 この会員章には通し番号が刻印されていて、その番号によって誰のものか分かるようになっています。
 ただし、税理士の登録番号とは別なので通常、自分の会員章に彫られている番号は覚えていません。

 例会や研修会で周りを見ると、会員章を着けている人は半分くらいでしょうか。

 この会員章については、九州北部税理士会税理士会員章細則で

第4条
本会に入会した税理士会員には、1人につき1個の会員章を交付する。
2 前項の会員章は、無償とする。

第6条 
税理士会員は、会員章を亡失し、又は損壊したときは、直ちに別表第4の書式による届出書を本会に提出するとともに、別表第5の書式により会員章の再交付を申請しなければならない。
2 会員章亡失届出書には、亡失の事情を詳記しなければならない。
3 会員章損壊届出書を提出するときは、当該損壊した会員章を添付して、本会に返還しなければならない。
4 会員章の再交付は、有償とし、その価額は、別に定める。

とあるように、ただで交付して(貸して)もらえるけれども、失くしたり壊したら面倒なうえにお金を払わないといけないということで、本物の会員章の代わりに略章を着けている人が多いです。

 失くしたり壊したりしたら面倒だからという以外に会員章を着けない人の理由としては、資格取得前から事務所で働いている人は『資格なんか関係ないぜ、実力だぜ』と言っていた手前、資格を取ったからと言ってバッジを着けるのはなんとなく気恥ずかしいということもあるかもしれません。
 税務署OBの人も、税理士というよりもOBという方にプライドがある場合は着けにくいかもしれません。

 この会員章、法律上はどうなっているでしょうか(ちょっと『バラエティー生活笑百科』の笑福亭仁鶴さんっぽい)。

第32条 税理士又は税理士法人が税務代理をする場合において、当該税務代理に係る税理士が税務官公署の職員と面接するときは、当該税理士は、税理士証票を提示しなければならない。

 会員章のことについては附則を含めて何も書いてありません。
 ということは、資格を取ったご褒美的に貸してもらっただけなのでしょうか。
 条文をよく見ると

第39条 税理士は、所属税理士会及び日本税理士会連合会の会則を守らなければならない。

ということで、会則を守ることが義務付けられていますので会則も見なければなりません。

 日本税理士会連合会の会則では、会員章については触れていません。
 九州北部税理士会の会則を見てみます。

第46条 会員の品位保持及び使用人等の監督に関し必要な事項は、この会則で定めるもののほか、規則で定める。

 これを受けて九州北部税理士会綱紀規則で

第8条 税理士会員は、税理士業務を行うときは、税理士証票を携行し、税理士会員章を着用しなければならない。

となっています。

 つまり、税理士業務を行う場合には会員章を着けなければならないということです。
 ちなみに税理士業務とは税理士法2条1項にて、税務代理、税務書類の作成、税務相談の3つが限定列挙されています。

 よって、税務に関係ない仕事をしているとき、例会や研修会の時は着けていなくてもいいけれどもそれ以外の仕事中は人に会うか会わないかに関係なく着けていなければならないことになります。

 税理士自身が思っている以上に、法律(会則)的には重要なものです。