消費税等込みの総額表示義務
本日令和3年4月1日から総額表示義務付けという見出しや言い方を見るのですが、消費税等を含めた価格表示というのは平成16年4月から義務付けられていて、例外として令和3年3月31日まで総額表示が困難な場合に税抜表示が認められていただけです。
このことについては2020年8月に『消費税抜きの価格表示』で書いたのですが、もう一度。
消費税法
第63条 事業者(第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)は、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等(第7条第1項、第8条第1項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。以下この条において同じ。)を行う場合(専ら他の事業者に課税資産の譲渡等を行う場合を除く。)において、あらかじめ課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の価格を表示するときは、当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない。
消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法
第10条 事業者(消費税法(昭和63年法律第108号)第63条に規定する事業者をいう。以下この条において同じ。)は、自己の供給する商品又は役務の価格を表示する場合において、今次の消費税率引上げに際し、消費税の円滑かつ適正な転嫁のため必要があるときは、現に表示する価格が税込価格(消費税を含めた価格をいう。以下この章において同じ。)であると誤認されないための措置を講じているときに限り、同法第63条の規定にかかわらず、税込価格を表示することを要しない。
2 前項の規定により税込価格を表示しない事業者は、できるだけ速やかに、税込価格を表示するよう努めなければならない。
附則 第二条
この法律は、平成三十三年三月三十一日限り、その効力を失う。
ラジオで『ファイナンシャルプランナー』を名乗る人が税抜価格を書いて小さく税込価格を書けばいいと言っていましたが、そういう騙すようなことをしてはいけないことは法律の趣旨を考えれば分かることであり、本来であれば肩書を基に公の場で言えないはずです。
総額表示義務に関する消費税法の特例に係る不当景品類及び不当表示防止法の適用除外についての考え方
第2
平成25年9月10日 消費者庁
税込価格が明瞭に表示されているか否かの考え方
前記第1の2のとおり、税込価格と税抜価格を併記する場合において、景品表示法で禁止される表示に該当するのは、表示されている税抜価格を税込価格であると一般消費者が誤認する場合である。したがって、税込価格に併せて税抜価格を表示する場合に、表示媒体における表示全体からみて、税込価格が一般消費者にとって見やすく、かつ、税抜価格が税込価格であると一般消費者に誤解されることがないように表示されていれば、税込価格が明瞭に表示されているといえる。
また、この判断に当たっては、基本的に以下の要素が総合的に勘案される。
1税込価格表示の文字の大きさ
税込価格表示の文字の大きさが著しく小さいため、一般消費者が税込価格表示を見落としてしまう可能性があるか否か。
消費税込みの価格になると税金を負担している感覚が薄れてしまうので、税負担を感じさせないための国の思惑があるような気もしないでもないのですが、だからと言って事業者が消費者を騙していいことにはなりません。